いぬごや

よくはたらくいぬです

トマト味の日

今日も朝からずっと天気がいい。夜にパスタを食べると決めていたから日中の食事は軽くしようと思って、朝を昼と兼ねて一度にしっかり食べた。ピザトーストとミネストローネとバナナを入れたヨーグルト。パートナーが「ピザトーストは絶対2枚食べる」と意気込んでいたけど、2枚も食べたらバナナとかまで食べきれないでしょうと思い、いつもよりパンを分厚く切って具沢山にしたのを1枚出したら「すぐ食べ終わっちゃうのが悲しいから2枚ほしかったのに…」と残念がっていた。そういうことだったのね。ウインナーがパンひとり2枚ずつの計4枚分に乗せるほどはなかったんだよ。

たしかに2枚食べたい味ではあった

いつもは薄切りのジャンクな食感を好むけど、分厚い食パンで作ったピザトーストはフカフカサクサクですごくおいしい。たまねぎやピーマンやマッシュルームなんかの山盛りの具をきちんと受け止めてくれるし、ケチャップ味のものを大きな口を開けて頬張ると、一瞬子どもに戻ったような楽しく満たされた気分になる。真っ赤なミネストローネは熱々で濃厚で、真夏みたいな味。

午後、自転車に乗って近所の公園へ出かけた。すっかり春らしくなった空気の匂いを嗅ぐ。大きな池沿いを気が済むまで走って、手漕ぎボートや鴨が泳ぐのをベンチで眺める。平日のこんな真っ昼間に池のほとりなんかで佇んでいると、社会から弾きだされた感覚がすごい。有休消化中はまだ在籍しているから社内メッセージアプリのアカウントが残っていて、日に何度か気になって覗いてしまう。愛する部下たちが私のいない環境で働いているのを、空の上からそっと見守っているような心地がする。四十九日ってこんな感じ?

梅が咲いてた

夜はいわしの香草パン粉焼きと、トマトとにんにくのパスタを作った。火が視認できず機械に任せきりの「静」の料理は不得手だったけど、最近ようやくオーブンを恐れず使えるようになったと思う。いわし(開いて塩水に少し漬けておく)とついでに余ってたマッシュルームを敷き詰めて、オイルやハーブを混ぜたパン粉で覆ったガラスの耐熱容器の底が、ふつふつジュウジュウと香ばしく鳴く。缶詰めのオイルサーディンで作ってもいいけど、脂の乗った生のいわしでこれを作ると本当においしい。オーブンでいわしを焼く時間とパスタの茹で時間がちょうど同じ7分間でちょっと嬉しくなった。トマトとにんにくと塩とオリーブオイルだけで作ったパスタは去年の夏からの定番で、きっと老いるまで一生作り続ける。