いぬごや

よくはたらくいぬです

黄色い熱帯魚

3/6

さぼてんで買っておいたえびフライをトースターで温め、軽く塩で揉んだ千切りキャベツと一緒にパンに挟んだえびフライサンド(味つけはお好み焼きソース+ケチャップ+マヨネーズを混ぜたソース)と、かぶのポタージュを朝食に作る。昔、仕事やライブで名古屋に頻繁に通っていた頃、メイチカにあるコンパルという有名喫茶店のえびフライサンドが好きでよく頼んでいた。あれは薄い卵焼きが一緒に挟んであっておいしかったな。

おもむろに身体が海のものを欲しだしたので、いつも使わないほうの海鮮が充実したスーパーに行き、あさりといわしとたこを買った。あさりは春雨と一緒に中華風の炒めもの、いわしは香草パン粉焼きにして、たこはトマトと一緒にサラダにするか、みじん切りにしてラグーパスタを作りたい。食費を気にするといつも薄切り豚バラ・鶏むね・合挽き肉のローテーションになるけど、たまにこうやって魚介を入れたり、少し大きいブロック肉を買って煮たり焼いたりすると楽しい。仕事帰りの平日は定番料理くらいしか作れないから、精神がぬるま湯に浸かってる有給消化期間のうちにいろいろ作ろう。

夜、あまりものの塩辛を全部使ってしまおうと思って、合うのかな〜とか思いつつ適当に春キャベツと油揚げの焼きうどんに入れてみたら、想像をはるかに超える絶品ができた。調味料の味つけ一切なし、いかの塩辛(汁ごと)と具材をごま油でざっと炒めて、レンジで半解凍した冷凍うどんを入れてフライパンに蓋をしながら料理酒で少し蒸す。それだけで、麺が驚くくらいもっちりふくよかな味わいになって、油揚げにじゅんわり染み込んだいかの風味がたまらなくおいしい。

焼きうどんとは過去にささやかな確執がある。実家にいたときは、親が作るソースだか醤油だかわからない薄茶色のべちゃっとした味が苦手でかなり敬遠していたけど、大人になって台所に自ら立つようになり、塩や白だしベースであっさり仕上げてみたら途端に好物に昇格した。塩辛入りは盲点だったけど辿り着けて嬉しい。春キャベツがおいしい時期におすすめ。

3/7

うちの寝室の南向きの窓は、カーテンを省略してプリズムガラス風の目隠しフィルムを貼っている。休みに入ってから朝起きるのが少し遅くなったので、晴れた日は虹色にキラキラ光る陽光に加湿器の湯気がけぶって、なんか天国みたいな視界だなあとか思いながら目を覚ます。今日はすごく天気がいい。ベランダの植物に水をやるとき、背中が陽をまっすぐ浴びて暑いくらい。

卵、ツナマヨ、ハムレタスの小さいサンドイッチを朝食にたくさん作った。卵サンドは7分40秒茹でた緩めの卵を細かく潰して、マヨネーズ・塩・味の素・砂糖で調味してよく練ったトロトロのペーストを挟むのが好き。こってりおいしくてやみつきになる味。パートナーはツナマヨがサンドイッチの具で一番好きらしい。

小さいので一瞬で食べ終わってしまった

休みに入ってから、起きたら朝食を作ってカフェインレスのルイボスティーをたっぷり沸かし、ごはんのおぼんと大きな保温ポットを持って二階の仕事場に上がるのが私の日課になった。その頃にはパートナーがとっくに起きて始業している。去年の今頃、コロナに罹ってずっと在宅勤務をしていた時期もこんな感じだった。その日のパートナーの作業内容に合わせて、頭を使う日は歌詞のない音楽を流し、手作業が多い日は過去に観た好きなドラマを一話から流しておいたりする(最近は『大豆田とわ子と三人の元夫』)。あんまり頭が忙しくないらしい日は横でスプラトゥーンをすることも多い。先日エキスパンションパスを購入して春のシーズンを楽しんでいるけど、たいして強くはない。

写植作業を引き受けてひと仕事したあと、iPadとワイヤレスキーボードを持って二人で近所の喫茶店に来ている。私はカレーライス、パートナーはチーズカレードリアをお昼に食べた。大きな窓に近い席で、外壁が杏色のかわいらしい団地が西陽を浴びているのがよく見える。喫茶店や図書館でめいめいの作業に没頭する時間がけっこう好きだ。平日の日中ならではの眺めもおもしろい。揃いの黄色い帽子をかぶって集団下校するちいさな小学生たちが、窓の外を魚の群れみたいに大勢横切っていく。

そこで飲んだホットココアがすばらしくおいしかった。口にした瞬間、想像の数倍濃いカカオの風味が火がついたみたいに一気に口内に広がって、思わず「なにこれ!?」って言ってしまうほど。火傷しそうに熱いのに、とろっと濃厚で深い甘味が後をひいて止まらなくなる感じ。少しバターでも入れてるんだろうか。家で飲むミルクココアとはまったく違う飲みもの。ちゃんと火にかけて粉を練る純正ココアを久しく作っていないので、近いうち再現に励んでみたい。