いぬごや

よくはたらくいぬです

ルビーを食べる

春めいてきてから八百屋やスーパーに行くのが楽しい。小粒のとちおとめが1パック200円ちょっとで売られていたので、2パック買って苺ジャムを作った。お菓子やデザート系の甘い料理は普段ほとんどしないけど、果物のジャムを煮るのはなんだか浮き足立つ楽しい作業だ。

すぐ食べ切るから砂糖は少なめ(これでも)

漫画『きのう何食べた?』の1巻に、シロさんが苺ジャムを煮るシーンがある。

この瞬間がキレイなんだ
煮つめていくと 一度抜けたいちごのエキスがもう一度いちごに戻ってきて
粒が透明な深いルビー色になってくる…

このモノローグにある、苺の実が「透明な深いルビー色」になる瞬間が見たくてジャムを作った。砂糖をまぶしておくことで水分が抜けた苺を、しばらくは見た目がそんなに大きくは変わらないまま、辛抱強く鍋で煮詰めていく。「ルビー色ってこれかな…まだ早いか…」とか悩みながらあくを掬っていくうちに、とある瞬間から誰が見ても「透明な深いルビー色」としか形容しようのない色味にさっと変わる。

果肉が潰れずごろっとしているのが好きだから、苺の粒をすべてそのまま残したジャムに仕上げた。こういうまるごと系のジャムは買うと高いから家で作るに限る。間でレモン果汁を入れないととろみがつかないかな…と悩んだけど、なんも問題なくれっきとしたジャムになって安心。何日かパンに塗ったり挟んだりして楽しんだ。パートナーがすごく気に入ってたので春のうちにまた作ろう。

一ヶ月間の長いお暇もそろそろ終わろうとしている。とくに旅行に行ったりすることもなく、予定どおり毎日たっぷり眠って平穏に家事に勤しんでいるうちに、冬用コートがすっかりいらなくなっていた。休みの間にやっと本棚を設けられて嬉しい(前の家で本棚を持ってなかったので、今までずっと扉を外した押入れにそのまま積み上げていた)。

児童書がけっこう多い

会社勤めの平日だとめんどくさくて作れないな〜という料理もたくさん作れて楽しかった。生のいわしを開いた香草焼きとか。でも今の季節はただでさえ野菜がおいしいから、なんだかんだシンプルな蒸し野菜+茹で豚(味噌マヨをつけて食べる)やごまあえ、春キャベツをたっぷり入れた焼きうどん、かぶをバターで炒めて撹拌して牛乳でのばしただけの真っ白いポタージュみたいなのが結局一番おいしい。

ここ数日じんわりした風邪を引いてしまっていたのがようやくマシになってきたので、今夜はハンバーグ。具合が悪いと覇気がぜんぜん出なくてハンバーグなんていうご機嫌メニューはとても作れず、毎日ビーフンとか謎パスタで適当に済ませてしまっていた。うちのハンバーグは牛と豚の合挽き、生卵は入れずにたまねぎは炒める。ソースはケチャップとお好み焼きソースとバターと砂糖を煮詰めたこってり甘め派。多めに作って焼いた素の状態で冷凍しておいて、今度大根おろしとぽん酢でも食べよう。