いぬごや

よくはたらくいぬです

隣人とチキンカツ

3/28

近くに住む友人が午後から遊びに来て、仕事中のパートナーも交えて夜遅くまで一緒に過ごした。このところ親族のことで滅入っていたから気晴らしになって本当に助かる。貰いものらしいスモークサーモン・出張土産の塩バターおかき・ミスタードーナツという謎ラインナップの手土産を持ってきてくれた。夏にはすいかとさくらんぼを抱えてきたこともあって、そういう「ご近所さん」っぽさが年々沁みる。

先日買った仕事場用の新しいテーブルが届いて、二階がかなりいい感じになった。ちゃんとした食事もとれるし、コミュニケーションの導線が快適。コーヒーを飲んで手土産のドーナツを食べて、本棚の本を好きに読んだりしながら三人でとりとめない話をして過ごした。これまで恋人を友達に紹介する文化が自分の中になかったから尚のこと、こうやってなんでもない時間を共有できる仲になったのがとても嬉しい。

日が暮れてからは友人と喋りながら台所に立ち、作り置きも含めて大量のチキンカツを揚げて、うちで一番大きい鍋いっぱいのミネストローネを作った。余分に揚げたチキンカツは冷凍してお弁当のおかず用に。たまねぎ・じゃがいも・ウインナー・トマトホール缶に調味料だけのかなりシンプルなミネストローネでも、具材をきちんと炒めたあとにゆっくり煮ながら水分を100mlくらい煮詰めて飛ばすと、トマトの酸味の角が落ちつつ旨味が凝縮されてびっくりするほどおいしくなる。

チキンカツはパートナーからの熱烈リクエス

この日は友人がワクチンを打ったあとだったからノンアルのちょっといい飲み物でも出してやるか〜と思い、KALDIで買っておいた瓶のアップルタイザー(りんごの炭酸)を開けた。シードルによく似ていて、献立にぴったりだし予想以上に好みの味。また買おう。

3/29

タカキベーカリーのパンが好きで、パン屋に行くのはちょっと贅沢だけどおいしいパンが食べたいね〜というときにスーパーでよく買う。その中で一番気に入っている石窯塩バターパンを焼いて、昨日の残りのミネストローネと朝食に食べた。煮込まれた二日目のミネストローネはため息が出るほど旨い。食パンと即席ポタージュの組み合わせの何倍も満ち足りた感じがする。

最近文庫本を何冊かまとめて買ったうちの一冊、今日は『花伽藍/中山可穂』を読んで過ごした。当たり前のように女性同士が恋愛している小説を読むと(百合エンタメに近い非現実的な作品ではなく、地に足のついた平凡なレズビアンの描写として)自分が生き物としてまったく少数派ではないような錯覚を覚える。

短編の中にあった「菜の花のごま油炒め」という描写が妙に記憶に残った。普段野菜を買うときは基本的にスーパーではなく八百屋を使っていて、ぜんまいやたらの芽なんかの山菜はこの春すでによく見かけているのに、菜の花はまだ一度も目にしていない気がする。菜の花とベーコンとにんにくで作るペペロンチーノがとても好きで、去年の春はよく作って食べていた。小説に出てきたごま油炒めはあったかいご飯が抜群に進むらしい。今度作ってみよう。

夜は豚バラブロック肉を一時間半かけてじっくり塩茹でにして、韓国料理のポッサムを用意した。茹で豚・キムチ・もやしナムル・クリームチーズコチュジャンベースの甘辛いたれと一緒にサニーレタスに包むと、癖になるおいしさでどんどん食べられる。にんじんのきんぴらとかも合いそう。すぐ食べ切ってしまったから、豚肉の茹で汁を使って夜食に春雨スープを作った。パートナーが最近食欲旺盛でかわいい。