いぬごや

よくはたらくいぬです

狐のビールの夜

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真っ白い自転車を買った。昨年頑張ったご褒美のつもり。嬉しさのあまり土曜の朝から外を走りまわって、大好きな冬の清涼な空気を思う存分浴びた。重いかさばる買い物が気楽にできるのが嬉しいな。みかん、バナナ、お酢、トイレットペーパー、台所用洗剤とボディソープの詰め替え、そんなような手に提げるにはちょっとしんどい買い物だってまったく苦じゃない。陽のあたる急勾配の坂や空が広く開けた川辺をゆったり自転車で走っていると、2年と少し住んだこの街をいっそう好きだなあと思える。

この週末は黙々と料理をしたり、恋人とのんびり過ごしたり。卵とトマトと挽き肉の酸辣湯、豚バラ大根、なすの揚げ浸し、ほうれん草のメンマ和え、味玉、粉チーズをまぶした揚げ里芋。お正月の残り食材を使い切って、瓶に作っていたミョウガ青海苔オイル漬けは冷奴に乗せて食べ切った。すっきりした冷蔵庫にたくさんのタッパーが並ぶ光景は何度見ても気分がいい。

そのうちいくつかのおかずを保存容器に詰めて、恋人のうちに持っていった。ひとに料理を食べさせるときにだけ脳内に分泌されるドーパミン的な幸せ物質があるんじゃないかと真面目に思ってる。今年は正月からその欲が満たされ続けていて幸せったらない。豚バラ大根とかをつつきながら狐のラベルが可愛いクラフトビールを飲んだ。こんがり狐色にローストされた風味が濃厚でおいしい。クラフトビールがランダムで詰め合わせにされたものを年末年始に買ったうちの一本。馴染みの飲み屋になかなか行けない毎日がこれからも続くだろうから、今年は国産のおいしいお酒を色々取り寄せてみたいな。

年が明けて、管理職と新人以外の大多数が在宅勤務を再開したおかげでがらんとしたオフィスで毎日過ごしている。去年の春に一斉在宅化がはじまってから小一年。この光景もすっかり見慣れて、今ではもう異常事態だと思わなくなった。「お気に入りのマスク」とかいう概念さえうまれた。明日もまたいつも通り、スープとおにぎりのお弁当を持って会社に行く。