いぬごや

よくはたらくいぬです

夏のおわりと再会の夜

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ひと夏を捧げた案件がようやく片付いて、私の夏が先日ようやくおしまいを迎えた。ついこの間8月になったなとか思ったところだったのに早いものでびっくりする。

休日出勤した分の代休やもろもろを合わせて、先日勇気を出して五連休をとった。絶対になんの仕事もしなくていいよう半月前から根回しして、ダイナーでビールを飲んだり旅に出たりすきな女優の出る舞台を観に行ったり、毎日きちんと好きなことをする平穏で遅い夏休みを手に入れた。

 

海に行った。

初めて見る日本海は想像していたよりずっと青くて穏やかだった。

10年来の親友の運転する車に乗って、夜明けの棚田を見に行った。学生時代にふたり共通で好きだった音楽をたくさんかけながら真っ暗な山道をドライブして、日が昇るのをじっとみつめた。すすきが風に鳴る音を初めて聴いた。溶けそうに気持ちいい露天風呂から遠い夜景を眺めた。小雨の降る渓谷で驚くほど澄んだミントブルーの渓流を見た。

 

米どころに行ったのだけどね、寿司屋が最高だった…鱒とぼたん海老と甘鯛…特に美味しかったのはほたてのバター炙り寿司。噛みしめるたびにとろとろのほたてと、薄く塗られて香ばしく焦げたバターがつやつやのシャリに絡んで、美味しさで涙目になることってあるんだなと気が遠くなりかける。後味爽やかな地ビールでフワフワに酔っ払って、西日傾く穏やかな新幹線で熟睡して。美味しい米や日本酒やおかきを抱えて、いつもの暮らしに戻ってきた。

 

ゆるやかに秋へとギアを入れたら、長くさよならをしていた人とまた縁が繋がった。特に肩書きはない仲。離れていた期間を惜しんで取り戻すかのようにそばにいて、ただくっついて眠って夜を過ごしたり、天気の悪い日曜にカーテンを開けず、とりあえず取り込んでベッドに広げた洗濯物の山につっぷして、薄暗い部屋でいつまでも二人でまどろんでいたりしている。

しばらくはまぁ。秋だから。しかたない。

 

そんな季節のかわりめ。

元気にやってます。