いぬごや

よくはたらくいぬです

新年

元旦の朝に寝ぼけながら仕込んだ

愛すべきなーんにもしない正月を過ごしている。おいしいおせちと餅や日本酒、ストーブとこたつのある古民家に、人間以上になーんにもしない猫までいるからもう完璧だ。

晦日の夜は年越し蕎麦と天ぷらを作って食べた。天ぷらはえびとれんこんとなすの三種。蕎麦用のえび天を大晦日に揚げるようになって数年経つけど、年々ぷりっとジューシーに揚がるようになってきて嬉しい。いつか何かで「天ぷらは蒸し料理」と見聞きしたことがあって、これを意識するようになってからは、とくにえびは、衣がカリッとなればあとは余熱でじゅうぶん火が通ると気づいた。

お雑煮はおいしいながらもけっこう適当にやっている。大晦日に水に漬けておいた干し椎茸(甘じょっぱい旨煮を大量に作って冷凍しておく)の戻し汁をベースにして、そこに天ぷらを作るとき外した生えびの頭を入れてよく煮込んだだしに、焼き餅・ほうれんそう・鶏もも肉・削った皮を刻んだゆずを入れる。椎茸の深みのあるだしにえびのこってり濃いうまみが溶け出して、ゆずの果汁がキュッと引き締めていくのが癖になる味。故郷の味でもおふくろの味でもなんでもなく、数年前の元旦に思いつきで作ってみたらやけにおいしくてすっかり定着化した、私の味だ。これがパートナーにとっての家庭の味になればいいなと思う。

おせちは買ってもらいました

あんまり意識してなかったけど、今年いよいよ30歳になる。もう今の会社での出世欲も落ち着いたし、新年の抱負とか20代最後の〜みたいなこともそこまで考えてない。でも柔和に生きたいね。パートナーと猫たちとの穏やかな暮らしが守れればそれでいいや。