いぬごや

よくはたらくいぬです

オオカミの名残の夜

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無地のセーターにスラックスとベージュのチェスターコート、靴下に革靴、たまに真鍮のアクセサリーとか、文字盤がシンプルな腕時計とか。今年の冬はそういうふうなスンとした格好を心がけている。撮影現場を駆けまわる前職時代はふと気を抜くとブルゾンやパーカーで着膨れていたから、しゃんとした大人の勤め人っぽくありたいなという背伸びのあらわれ。でもあんまり背伸びでもなくなってきた感じがして嬉しい。自分でそう思ってるだけだけど。

先日珍しく指輪を買った。コンプレックスでもあるごつい手にまあまあ自然に馴染んでくれるものをふたつ。仕事中は左右の手の重さがアンバランスになるのがどうしても嫌ですぐ外してしまうけど、なんか、いいなと思う。帰ってきて指から外したら、同じ日に買ったルビー色がきれいなゴブレットと一緒にこたつに並べることにしている。細々とした好きなものを丁寧にしまいこまず、適当にぱらぱら転がしておくと視界が楽しくていい。だから我が家はいつも少し散らかっている。

今夜は23時半くらいに帰宅。いよいよ師走っぽさに拍車がかかってきている。家についてマフラーとマスクを外してこたつやお風呂であたたまると、朝につけた雌オオカミの香水が最後にじわっと溶け出すような心地がすると今気づいた。ラストノートのシナモンとアンバーウッド。煮詰めたカラメルにも似てるなあとか思いながら、翌日の仕事のことも考えつつ、毎晩1時半くらいまで湯船で過ごす。