いぬごや

よくはたらくいぬです

レモンと甘酒

夏になると開襟シャツをよく着るので、金のとても細いネックレスチェーンを買った。鎖目が見えないほど細かくて、鎖骨の上でシャラッとなめらかに流れるのがいい。タンクトップのサマーニットの上にシャツを羽織って袖を捲り、ざっくりしたデニムにミント色のパンプス、そういうラフな夏の服装に細身のゴールドあるいはクリアトーンのアクセサリーを合わせる。暑さに弱すぎて夏の服装を長年楽しめずにいたけど、近年ようやくこういう感じで定着してきた。

一昨年の冬から育てているマイヤーレモンの苗がそこそこまともに育ち、実を色んな料理に使っている。ポスターカラーで塗ったようなパキッとした健康的な黄色の果皮に、ずっしり持ち重りのする大きな実(小さめのグレープフルーツくらいある)が収穫できた。果肉も白っぽくなくきれいに色づき、驚くほどたっぷり果汁が絞れる。園芸店で買ったレモン用肥料を一度適当に与えただけなのに、かなり満足のいく出来で嬉しい。

ホットプレートで焼いた牛タン、大葉やナンプラーで作ったアジア風そうめんつけだれ、塩と黒胡椒ベースのさっぱりした青椒肉絲なんかにどんどん絞って食べた。当然だけどポッカレモンの味とは大違いだし、スーパーで売っている硬い海外レモンの比にならないくらい果汁が出るのがおもしろくてたくさん使ってしまう。果皮が薄く柔らかくて絞りやすい。帆立の貝柱(ふるさと納税)とかぶを薄切りにして、レモンとオリーブオイルと調味料でざっと和えたのが夏らしい味で特においしかった。

自分と季節の両方に合う特別じゃない服やアクセサリー、プランターで育てている果物が今年も実をつけるかどうか、それをどんなふうにおいしく食べるか。こういうことばっかり考えて暮らしたいね〜。仕事は楽しいけど食べものについて書く雇われライターになったから、よくも悪くも公私が混ざってしまってまだオンオフをうまく切り替えられない。もっと楽しく適当になっていけばいいな。

きのう八百屋でししとうやきゅうりが安く買えて嬉しかったこと、夜ミイさんとちょっといい回転寿司に行って食べた鯵やえんがわがおいしかったこと、今日は暑いから最近常備するようになった冷やし甘酒が身体に沁みてすごくいい感じだってこと、そういうのを疲弊して流しちゃわずに毎日言語化していきたい。